伏見緑さんが語る「あなたの知らないドイツ」

第228回
チケットショップに行きました

このピアノ・コンサートのポスターを
フランクフルトの街角で一目見たとき、
ああ、この人は素晴らしく素敵なピアノの音色を
私に聴かせてくれるかもしれない、と思いました。

そのポスターには、ピアノを演奏している男性の姿を
斜め下から撮った写真が大きく載っていました。
まるで、ピアノを弾くために生まれたような、
あまりにも素晴らしく才気溢れる美しさと迫力が
そのポスター全体に満ちています。

そういう理由で、迷わずチケットショップに行きました。
案の定、1軒目は、売り切れ。
2軒目を当たって、
運良く、そのチケットを手に入れることができました。
前から7番目の中央寄りの1席が18ユーロの上に、
チケットショップへの発券手数料がチケット1枚につき、
2ユーロ必要だったので、合計20ユーロでした。

私にとっては、ドイツに来てから、
遅まきながら、初めて強く関心を持ったコンサートです。
地方の美術館や博物館を訪ねたり、
美味しそうなものに少々興味を持ったりしてはみても、
欧州の音楽を心ゆくまで味わうまでは、
長い間、及びませんでした。
このポスターは、そんな躊躇する気分を
すっかり忘れさせてくれるほど、
魅力的な雰囲気で溢れています。

さて、チケットを手にいれてから、
それを眺め、このピアニストの名をゆっくり改めました。
ヤツェク・コルトゥス(Jacek Kortus)氏という、
ポーランド出身の若いピアニストです。
2005年のショパン・コンクールで
最終予選を通過し、
本選に臨んだのは17歳の時とのこと。

フランクフルト郊外にある、小さなホールで、
同じくポーランド出身のショパンの調べを
聴かせてくれるという、コンサート。
私は楽しみにその日を待ちました。


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2008年4月18日(金)

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