伏見緑さんが語る「あなたの知らないドイツ」

第238回
Radio Ga Ga(ラジオ ガガ)

今日、お伝えしたいのは、エリザベス女王ではなくて、
イギリスのハードロック・グループの「QUEEN」。
日本が右肩上がりの景気に乗っていた1970年初め、
イギリスでの結成後、バブル膨らむ1980年代を中心に
日本を始め、世界中でヒット曲を飛ばしました。

うんと低音のサウンドを粘り強く引っぱりながら、
その上に高音のメロディーを遠慮なく積み上げていく
立体的な構成と力強い歌いっぷりの良さが、
私は結構好きでした。
「Radio Ga Ga(ラジオ ガガ)」など
曲の断片を耳にするまでもなく、
ああ、あのグループだなと思い浮かべる人が
きっと少なくないことでしょう。

でも、「自由になりたいゼ」調の歌詞が
大音響の上にバクバク乗っている「音楽」なので、
「音が苦」だったアレのことか…と思い出していただくと
ちょうど良い具合かもしれません。

このQUEEN、2005年に久々の世界を巡る
コンサート・ツアーを開始したとのこと。
ドイツのラジオでQUEENの曲を久しぶりに
聞いたのは、この頃だったと思います。

2005年頃は、まだ毎日の暮らしに振り回されており、
私には、音楽コンサートどころではありませんでした。
「QUEENを欧州でライブで聴けたらいいだろうな…」
と思いながら、チケットを買いに走る元気は無し。
「欧州人にとっても、今じゃすっかり懐メロだね」と、
ポスターを黙って見ていただけでした。

ところが、最近のラジオDJの名調子と一緒になって
盛んに流れてくるQUEENを聞いていると、
欧州人にとっては、セピア色の懐メロではなく、
むしろ、今の若い方がノって好んで聞いているような、
とびきり新鮮な印象が強くあります。

2004年5月にEUに加盟したポーランドやチェコなど、
東欧圏から大勢の人が、
西欧圏の国々に気軽に出入りするようになり丸4年。
アウトバーンを列をなして、ひた走る大型トレーラーは、
今や若い運転手が繰る東欧ナンバー車がほとんどです。

We Are the Champions!(伝説のチャンピオン)
We Will Rock You!(ウィ・ウィル・ロック・ユー)
彼らは、きっとこんな歌詞を口ずさみながら、
良い気分でハンドルを握っているだろうな、と思います。


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2008年5月12日(月)

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