伏見緑さんが語る「あなたの知らないドイツ」

第242回
日本の隠れた資源

話をする機会が少しずつ増えてくると、
「1度でいいから、日本人に直接、聞いてみたかったのよ!」
と周りの皆も、質問を出してくれることがあります。
こんな質問を受けたら何と答えるか、よろしかったら、
頭の体操がてら、一緒に考えてみてください。

1番多い質問は、
「何故、日本は金持ちの国になったのか?」です。
これは他の国でも同じ様子ですね。
同じ年間給料でも、日本人の可処分所得は、
ドイツ人から見ると2倍近くあります。
ドイツ人にとって、
日本はやっぱりお金持ち国に見えるようです。

私は、日本の経済や物価がこうだからなどと
自分なりの話で説明しようとしていたのですが、
最近、そんな具合に答えるのを止めました。
「よく分からない」と答えた上で、
「あなたは、何故、日本が金持ち国になったと思う?」と
逆に質問をしています。
まず相手の知りたいポイントや
相手にとって説明を受け入れやすいポイントを探らないと、
私には、上手く回答できないことに気が付いたからです。

これまでで、1番面白かった回答は、
「ラッキー・キャット(招き猫)を大事にしているから」です。
「日本には、ラッキー狸(信楽焼の狸)もいるよ!」
と応じました。

日本人の日常生活について根ほり葉ほり、
私から聞き出して真剣に考えた挙句、
「あ、やっとわかった!」とこんな結論を出した人もいます。
「日本人は、給与が付かない時間帯にも、
有給休暇を貰ってもそれを使わず働いている。
日本人の無償の労働力、
これが、目には見えず、統計にも表れない
日本の隠れた資源なのね!」

でも…と、その人の質問は続きました。
「皆は何故、そんな人生を送れるの?
私には、到底できないわ。
その資源の存在は、日本の中で永遠に続くのかしら?」


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2008年5月21日(水)

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