伏見緑さんが語る「あなたの知らないドイツ」

第246回
フランクフルトに4つの都市計画

5年ほど前のフランクフルト・メッセの周辺は、
整地したあと、長く放置されていた空き地でした。
それが、このところ道路を完成させたり、
流通倉庫を新規オープンしたり、
最近、なんだか急に活気を見せています。

よく目を凝らすと、メッセだけではありません。
市内のあちこちに大きなクレーンが建って忙しそうです。
少なくとも5年以上前から、
心積もりができていたプランに沿って、
いよいよ本格的な建設段階に入ったのでしょうか。

どんな都市計画があるのか知りたくて
総合的に解説した記事はないかと探していたら、
フランクフルト・トップマガジンという地方雑誌の
今年1月号の中にみつけました。
その概要を簡単にお伝えしましょう。
フランクフルトでは、現在、4つのゾーンで、
「新しい都市づくり」の建設が進んでいます。

1つ目は、百貨店があり、皆が買い物に来る目抜き通り。
ここに新しい大型ショッピング・センターが建設中です。
次々と観光に来る、世界各地のお金持ちさんに、
ドイツ製品をたくさん買ってもらおう、という趣旨でしょうか。
ヨーロッパの小売店、特に紳士服に注目したフロアを持つ様子。
映画館などの娯楽施設、そして、グルメゾーンとして、
世界各地の「食」を集める計画だそうです。
日本やイタリア、スペインなどの食を紹介する、とのこと。

2つ目は、オペラ座からロスチャイルド・パークに至るゾーン。
ここには、オフィス用の高層ビルが建築中です。
3つ目は、メッセ周辺。
ここには、メッセに訪れるVIPをお客とするのか、
高級ホテルとオフィス用高層ビルが建つ予定、とのこと。

そして、4つ目は、南郊外にある、ダルムシュタット。
この町は、19世紀末、ドイツでのアールヌーボー
(ユーゲント・シュティール)活動の発信地です。
新しいスタイルを積極的に取り入れる風習がある上、
日本でなら筑波学園都市のように、
最先端の科学技術開発に携わるEU研究機関が集っています。
ここには、未来派志向のモダンデザインで、
科学技術・会議場のセンターを作る、とのことです。


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2008年5月30日(金)

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