伏見緑さんが語る「あなたの知らないドイツ」

第247回
上海へ行こう!

私にとって、コロッセウム型競争での初テーマは、
「欧州の団体の1つに属してみては?」
という問題を解くことでした(第237回)。

実に簡単に見えるのに、大難儀でした。
既に発行されているはずの紹介状はなかなか見つからないし、
団体先に出向いて、必要な書類を貰いに行っても、
「さあ、どうぞ!」とすんなり出してはくれません。
何処へ行っても担当者が居たり、居なかったり…。
誰が私の対決者で、誰がコロッセウムのギャラリーなのか、
全く見分けが付かないのに、動けば動くほど
見えない壁が次々と立ちはだかります。

そんな相手の態度に1つずつ怒りを感じていると、
いくら体力があっても身が持ちません。
「自分が嫌だと思うことを人にやってはいけない」
というアジアのモラルを思い出すまでもなく、
そんな相手の態度を見るだけで辟易しました。

加えて、こんなときには、意外なところから文句が出るもの。
「日本人が差別されているのに、真面目に取り組むのか?」
と、日本人からの非難が繰り返し耳に入ります。
こちらに味方してくれるギャラリーは皆無でした。

欧州のコロッセウム型競争での生き抜き方なぞ、
ほとんどの日本人は知りません。
コロッセウム型競争でさえ、目に見えにくいと思います。
私自身、必死で食い下がった結果の初遭遇でした。
現在でさえ、
「この方は、きっとコロッセウム型競争で
生き抜いてきた日本人だな!」と思える
「日本人の数」は、ほんの僅かです。

対処の仕方がサッパリ分からず頭を抱え込むばかり。
自分の手で用意できるのは、個人証明の書類だけです。
「これ以上、突進を繰り返しても、
まるでドン・キホーテのような愚かさじゃないか!」と
何だか、成す事全てが惨めに思えてきます。

性根尽き果て、残す時間はあと14日間となったとき、
「上海に行こう!」と私は、ふっと思い立ちました。
「上海に行けば、解決方法が見えるかもしれない…」
と漠然と感じたのです。

そんなお金がオマエの一体どこにある、ですって?
こんなときこそ、天は助けてくれるもの。
私には、ちょうど上海往復、無料で行ける分、
航空会社のマイレージ・ポイントが、
有効期限切れ寸前で残っていました!


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2008年6月2日(月)

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