死に方・辞めかた・別れ方  邱永漢

去り際の美学

第10
朝早く起きようと心がけるだけで、お金の貯まり方が違う

サラリーマンでも、自営業者でも、
仕事のやり方を見ていると、
人間には「働き人間」と
「怠け人間」の二種類があるように思われます。
両者は、仕事だけでなく
生活全般に対する取り組み方がまったく違います。

働き人間は、眠っていてもパッと目を覚まして
すぐに行動に移る。
ところが怠け人間になると、
朝起きてみて寒かったり、雨が降っていたりすると、
「ええい、もう今日はヤメだ」とまた窓をしめてしまいます。

怠け人間のほうはただ月給のために、
しぶしぶ自分に与えられた仕事をこなすだけです。
いっぽう、働き人間のほうは、
どんどん自分で積極的に仕事をつくっていく。

この違いは誰の目にもはっきり映りますから、
当然、上役の注目をひきます。
働き人間にはすぐお呼びがかかり、
気がついたら、もう同僚をひきはなして
出世街道の最前線に出ているのがふつうです。

実際、企業のトップの人たちはじつによく働いています。
ひとつの事業を自分で切り盛りしているのだから、
当然かもしれませんが、勤務時間などまったく関係ない。

いま流行りのコンビニエンス・ストアではありませんけれど、
二十四時間勤務のようなところがあるんです。

最近の若い人は、タ方六時すぎたら、
もう会社のことは考えないと言うそうですが、
私に言わせれば、それは怠け人間の発想だと思います。

働き人間は人より早く起きて、
人よりよけいに働きます。
いつの世になっても「早起きは三文のトク」です。
もちろん、言葉どおりに解釈しなくてもかまいませんが。

人より早く起きて、仕事に取り組もうという意欲や意気込みが、
長い目で見ると、
その人をどんどん向上させ、力をつけさせることになるのです。





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2013年4月11日(木)

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