死に方・辞めかた・別れ方  邱永漢

去り際の美学

第47回
力ードはムダ使いのもとになる

現金がなくとも買い物ができ、
飲み食いができるカードは、便利なことは確かです。
でも、便利すぎて、
ついついムダ使いをしてしまうことにもなるんです。

カードを乱用しすぎてあとで支払いができなくなり、
借金に追いまわされている人もたくさんいます。
新幹線の切符をカードで買って転売したり、
デパートの商品券を買って売りさばくといった
無茶なやり方をしている人も、ときどき見かけます。

本人にそれだけのチエがあってやっているのではなく、
サラリーローンに行って金を借り、
それを返済できないために起こっていることです。

たとえば、サラリーローンに八十万円の借金があるとする。
業者がお客のカードを持って買いに行くと違法になりますから、
本人に、百万円分商品券を買ってきたら、
ツーぺーにしてやるといってそそのかすのです。

そこで、十軒のデパートに行って、
十万円ずつ商品券を買ってきて渡す。
あとは、知らん顔を決めこんでしまう。
そういう人が激増したので、社会問題になっているのです。

そこまでいかなくても、
カードを使いすぎて、あとで回ってきた請求書を見て、
「こんなに使ったかなあ」とあわてる人は多いはずです。

お金を貯めようと思ったら、
できるだけカードは使わないほうがよい。
カードがなくても生活はできます。
カードがなければ、手持ちの現金でうまくやりくりして、
何とかやっていけるものです。

友人と飲むときでも、財布に一万円しかなければ、
それなりの店を選ぶ。
気に入った洋服を見つけても、財布の中味を考えて諦める。
ある程度の我慢をしなければ、
お金は貯まらないのですから、
カードなど持っていないほうがよいのです。

そうはいっても、
もうすでにカードを作っている人も多いでしょうし、
カードの時代に住んでいるのですから、
カードの上手な使い方を考えるほうが実際的といえるでしょう。

まず、カードを使うときの、
自分なりのルールを作っておくことです。
原則として現金払いにして、
カードを予備に持っているくらいでちょうどよいと思います。





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2013年5月18日(土)

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