中国株・起業・人生相談・Q&A-ハイハイQさんQさんデス-邱 永漢

第1882回
チャントさんからのQ(質問):ケイマンは香港より有利?

先生の書籍や当コラムを日頃愛読しております。

中国、香港企業の多くがケイマン諸島など大西洋の小島に
本社を登記しています。
アジア諸国のなかで香港は
税金に関して寛大な地域としての認知はしておりますが、
ケイマン諸島などへの登記は香港以上に有利なのでしょうか。

日本企業で同様に登記しているといったことは
聞いたことがありません。
投資信託の登記において頻繁に目にとまる程度です。
からくりについてご存知でしょうか。

今後の変わらぬご活躍をお祈りいたします。


■QさんからのA(答え)

香港の会社でタックスヘイブンに本社を置いている会社は、
上場会社の中にもたくさんあります。
ご存知のように、香港は税金が安いと言っても、
例えば個人の税金は15%、会社の税金は16.5%と、
日本や中国大陸に比べれば安いということで、全くタダではありません。
タダは贈与税と相続税遺産税です。
しかし世の中には法人税もタダというところがありますので、
そちらにまず本社を置いて、
その支店を香港に置くというやり方をしているわけです。

香港の場合は香港で稼いだお金に対して法人税を取りますが、
香港の会社が外国で稼いだお金に関しては、税金はかかりません。
例えば香港に本社があって、投資先が中国大陸の場合は、
中国大陸で稼いだお金に対しては中国が税金を取るけども、
配当金として稼いだお金が香港に入ってきた時は、
税金の対象になりません。

日本の場合はどちらからでも取りますので逃げ場がありません。
日本に本社を置いてよその国で投資をする人は、
大体税金を払うことになれている人か、
それとも税金を払っても自分の腹が痛まない仕事に従事している人、
ということになります。
日本の税務署はタックスヘイブンに本社を置いた会社に対しても、
日本の会社と分かればキュッキュッ絞めますので、
そんなところに本社を置いても仕方ないと
日本の会社がやらないだけのことでありまして、
日本人が税金をイヤがっていないということではないでしょうね。


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2007年10月26日(金)

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