中国株・起業・人生相談・Q&A-ハイハイQさんQさんデス-邱 永漢

第2039回
トスカーナさんからのQ(質問):外国起業の本を

いつも書籍やコラムを拝読させていただいております。
日本人の外国での起業についてお伺いいたします。

そもそも日本人が日本で起業して
10年間存続できるのは5%程度と言われているようです。
大変厳しい現実があります。
国によって産業の成長力、活気が違うことを根拠に
先生は盛んに中国やベトナムのような
成長力ある国での起業をお勧めになっておられますが、
言葉の不自由な者が他国で起業し存続を続けることは
並大抵なことではありません。

例えば中国で活躍する日本人起業家の多くは
中国人通訳を雇用している現実があります。
また、中国特有の会社運営の難しさを説く書籍も存在します。
少なくとも日本人起業家が中国で事業を行うには
言葉の問題に対処しなければいけません。
零細起業家がいきなり通訳を雇うことは
かなりの負担となり事業継続性を阻害してしまいます。

先生は日本人読者に対して
事あるたびに成長国での起業を説いておられますが、
それについての基本的な方法論や気構えなどを
書籍として日本人読者に一度説いていただけないでしょうか。
率直に申し上げて、この点を実行していただかないと
無責任さすら感じてしまいます。
これについては多くの読者も
同様な思いを持っているのではないでしょうか。


■QさんからのA(答え)

いま私の所で働いている若い人は何十人かいますけど、
その人たちの中で
中国に行く前に中国語が話せて
経営の経験がある人は一人もいません。
みんな現地に行って、必要に迫られて覚えています。
あなたが私に何も教えないのは無責任だと言うのは、
あなたの努力不足を
私に転嫁しているだけのことじゃないでしょうか。

私はいまから30年前に日本語学校をつくって、
現在、台湾と上海であわせて7000人生徒がおりますが、
そこで先生をやっている日本人は、
日本語を教えながら中国語を覚えて、
現地で環境をよく見て、
次の仕事を決めていると言う人が多いようです。
そういう苦労を一切しないで、
人のせいにする人が成功できるとは思っていません。


←前回記事へ

2008年3月31日(月)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ