石原新さんが歩む21世紀型日本人ビジネスマンへの道

第45回
台湾のそごうが潰れなかった理由

あなたは、海外で暮らすとしたら日本食は欠かせない方ですか?
私たちが台湾に移ったときは、
台北近辺では、居を構えた天母に大葉高島屋、
台北市内に太平洋そごう、あと新光三越が何店舗か、
日系百貨店として進出していました。
それぞれ地下にスーパーマーケット
(北京語で「超市」と呼びます。そのままですね)があり、
値段は高いですが、
日本の食材はほぼ問題なく手に入れることができました。

アパートのそばには、
「ウェルカム(頂好)」という香港系のスーパーがありましたが、
びっくりしたのは、営業時間が24時間年中無休だったことでした。
長野県では、夜9時ともなれば街中が真っ暗になり
寝静まってしまったかのようになってしまっていたので、
台北に来て
却って都会暮らしの便利さを満喫できるようになったのでした。

さて、「そごう」といえば
日本では2000年の暮れに経営破たんしてしまったのですが、
台湾のそごう、太平洋崇光百貨、は
台北では最も人気のある百貨店でした。
他の百貨店と同じように台湾の太平洋建設と合弁で
1987年11月にオープンしましたが、
日本式経営の良い点を活かしながらも、
台湾人のお客様にどうしたら受け入れてもらえるかを模索した結果、
日本と同じ轍を踏まずに済んだようです。

台湾ローカルの百貨店と比べるとわかりますが、
まず品揃えの違いが歴然としています。
百貨店としてはちょっと雑然としすぎているのではないか?
と思うほど
日本や欧米の良い品物がぎゅうっと詰まって展示されています。
そして、頻繁にあるバーゲンセール、
なぜかブランド品まで割引されてしまいます。
店の入り口に入店客数のカウンターがあり、
加熱すると入場制限するほど。
さらにそれまで台湾にはなかったエレベーターガール
(今でもこういう呼び方して良いのでしょうか?)による
店内の案内サービスを導入、
これ欲しさにいつもエレベーター前に行列ができています。

台湾のそごうは、
「台湾在住の日本人向け百貨店」ではなく、
「日本や欧米の良いものや、
日本仕込みの良いサービスを体験できる、台湾人のための百貨店」
なのでした。


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2005年4月8日(金)

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