石原新さんが歩む21世紀型日本人ビジネスマンへの道

第46回
よく下を見て歩かないと大変なことに

あなたは、「郷に入ったら郷に従え」と思える方ですか?
出張ベースで台湾に来ていたときから、
どうしても許せなかったもの、
それは道の歩きにくさとあちこちに見受けられる、
お犬様(大部分野良犬)の落し物(糞)でした。

商店街やオフィス街の場合、歩道はあるが、歩けない。
なぜ歩けないかというと、
歩道の上にバイクがところ狭しと駐輪しているからです。
台湾におけるバイクの保有台数は
1998年に1,000万台を超えたそうで、
おおよそ国民の二人に一人が所有していることになり、
歩道はそれらの駐輪スペースと化していたのでした。

では、どこを歩くか、というと
歩道よりも内側のそれぞれの店の前に設けられた
アーケード内を歩くのですが、
実はそこはそれぞれの店の私有地内であり、
ビルの1階部分をへこませて各店が思い思いに拵えるため、
段差もあれば奥行きも違う、
小さな赤ちゃんをバギーに乗せて外出したいパパママ達にとっては、
絶望的な空間なのでした。

加えて、あちらこちらに点々と
地雷のように落ちているお犬様の落し物、
私は考え事をしながら歩くクセがあり、
何度も足の裏に柔らかい、そして不吉な感触を憶えたものでした。
かといって下ばかり見ながら歩いていくと、
「歩行者優先」の概念を知らずに横断歩道に突っ込んでくる
2輪、4輪のドライバーにあわや轢かれそうになるのでした。

中華系の人たちに公の精神が比較的希薄なのは、
後に邱さんの数々の本を読んで理解するに至ったのですが、
欧米に遅れこそすれバリアフリーに取り組んだり、
「ペットの後始末は飼い主が責任もって」
という立て札をあちこちで見かける日本から移ってくると、
遅れているな、という印象はぬぐえませんでした。

日本では無用論を唱えられるようになった公共投資ですが、
私は、台湾であれば、道路整備、公衆衛生事業は景気対策にもなり、
社会インフラ整備にもつながるので
絶対にやるべきだと思っていました。


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2005年4月11日(月)

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