石原新さんが歩む21世紀型日本人ビジネスマンへの道

第63回
懐かしい人に会いに行く感覚のタンジュン・サリ

我々が去年まで2年連続で訪れていたホテルは
「Tandjung Sari(タンジュン・サリ)」といって、
バリ島南部・東海岸のサヌールというところにあります。
繁華街のクタに比べると静かで、西欧人が多い地区です。

タンジュン・サリは1962年開業という老舗で、
現在ではお馴染みになっている
バリ様式で建てられたバンガロータイプの客室はここがハシリです。
レセプションを過ぎて
プールに繋がる程よく曲がりくねった小径には、
バリの女性を象った石造や灯篭が緑に溶け込んでいます。
砂浜沿いの散歩道からちょっと奥まって、
木立の下に設えてあるプール脇のテーブルに腰を下ろすと
心地よい風が通り抜け、思わずため息をついてしまいました。

バンガローは全部で26棟、中・小規模といえるでしょうか?
滞在客は西欧人が殆どで、
シンガポールやオーストラリアからと思われる、
Expatriate(駐在員)の家族や、
現役を引退された老夫婦、たまに若いカップル等、
という顧客構成です。
海岸沿いに並ぶどのホテルも同じような雰囲気であり、
静かでのびやかな空間が、
皆さんのゆったりと休暇を楽しむ息遣いと
ぴったりマッチしています。

ホテルのスタッフもほとんどが顔見知りで皆暖かく迎えてくれ、
懐かしい場所に戻ってきた、そんな気持ちにさせてくれます。
我々を再びここに引きつけたのは、設備(バンガロー)や
装飾(バリの彫刻やアンティークの家具)の素晴らしさだけでなく、
周囲の自然(木立、砂浜、海)との調和、
スタッフの心使い、滞在顧客のテイストが溶け合った結果の
「安らぎ」であり、
これは長い年月をかけて醸成されたものに違いありません。

近年のバリでは、
新しいリゾートの開発や豪華なホテルが次々と建設され、
同ホテルとしては競争環境はますます厳しいものとなっていますが、
老舗ならではの、
私たちが「次に来るときはもっと長く滞在したいね」と思える
ブランド価値を、是非維持してもらいたいと願っています。


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2005年5月4日(水)

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