石原新さんが歩む21世紀型日本人ビジネスマンへの道

第64回
バリ島発のグローバルビジネスもあります

サーフボードを小脇に、
波乗りに出かけようと急かす子どもたちをちょっと待たせて、
電話会議。
そんな職場環境、いかかですか?

アンドリューとガイアのグラント夫妻は、
もともとオーストラリア・シドニーの高校で
問題児に宗教学や自己開発を教えるカウンセラーでした。
試みに彼ら自身の出版会社を興し
その教育マニュアルを出版したところ、
オーストラリア中で評判となり、
学校や地域グループ向けに20,000部を売り上げ、
突然お金に不自由しない状態となってしまいました。

夫妻はそこで落ち着くことなく、
今度はワーキング・バケーションしながら
彼らの方法を他の国の問題児の支援に役立てることとしました。
メキシコ・シティー、フィリピン、
エルサルバドルの孤児院での活動を終えた後、
休暇先のバリ島でのホテルマンとの会話が
彼らの人生をさらに飛躍させました。

そのホテルの営業部長はグラント夫妻に、
彼らのスキルを問題児だけではなく、
バリ島に滞在している会社の経営者に適用してはどうか、
と勧めました。
すでにオーストラリアで名を成していたにも拘らず
彼らはこのアイデアに乗り、
バリ島に移住して「Tirian」という、
経営者向けの組織編成や
危機管理プログラムを扱う会社を立ち上げました。
今では、4つの国に15人のスタッフを持ち、
顧客はシティ・グループやドイツ銀行、
アクセンチュア等20ヶ国にまたがっています。

仕事の成功とは裏腹に、
グラント夫妻はどんどん忙しくなってしまい、
最近バリ島にいられるのは月に4日、
という皮肉な結果になっていますが、
これも彼ら自身の選択、ということで受け容れているようです。
他人に充分評価される専門性をもち、
かつチャンスに乗っかる精神を持てばどこに行っても通用する、
というお手本だと思います。

私も見習いたいと思います。


←前回記事へ

2005年5月5日(木)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ