石原新さんが歩む21世紀型日本人ビジネスマンへの道

第91回
君子は豹変するものです

「君子豹変す」
この言葉はあなたにとって良いイメージですか?
それとも悪いイメージですか?

以前から燻っていた対日感情が、
尖閣諸島問題、東シナ海ガス田問題、
日本の国連常任理事国入り問題で高まりを見せていたところに、
教科書改訂問題が火に油を注ぐ格好になり、
大規模な反日デモに繋がったことは記憶に新しいところです。
現在、両国は関係修復に向かって
一進一退を繰り返しているように見えますが、
焦点が靖国神社の参拝問題に絞られてきたことは
ほぼ間違いないと言えます。

「戦争が終わって60年もの間、
日本は平和を守ってきたし、たくさんの海外援助もしてきた、
立派に国際社会の一員として振舞っているではないか、
過去のことばかり蒸しかえす中国人はケシカラン」
と考えている日本人も多いのではないでしょうか?
その辺りの日本人と中国人、双方感情の違いについて、
邱さんは、
「足を踏んだ人と踏まれた人の痛みの違い」
という例えを用いられています。わかりやすいですね。

いずれにしろ始めたケンカは終わらせなければなりませんが、
問題はその終わらせ方ということになります。
小泉首相の立場を考えると、
今まで通り参拝を続ければ
中国・韓国との対立は決定的なものとなるし、
行くのを止めれば国内の保守派を怒らせることになってしまい、
「あちらを立てればこちらが立たず」状態で立ち往生、
といった感があります。
これは、図らずも野党党首の相次ぐ大陸訪問で高まった
統一論議のなかで、会話のテーブルに着くか、
それとも独立路線を貫くかの岐路に立たされている
台湾の陳水扁総統の立場にも相通ずるものがあります。

ご自分の前言にこだわらず、
筋道をきちっと通し、
かつ大衆を説得する政策を示すことができるのか、
あるいは大衆の意見に引きずられて右往左往してしまうのか、
政治家としての器を試される局面ですが、
リーダーの端くれとして、
お二人が果たしてどのような政治判断を下すのか、
注目しているところです。


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2005年6月13日(月)

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