石原新さんが歩む21世紀型日本人ビジネスマンへの道

第102回
時を告げるのではなく、時計を作る

会社運営には、本当に苦労しています。
って社長さんなら誰でもそうですよねぇ。

台湾に来た2001年当時には十数名しかいなかった社員が、
気が付いたら80名に届こうかとしています。
名前と顔を一致させるのが難しくなってきました。
スタッフもオペレータ(工場作業員)もいます。
マネジャーもいれば担当者もいます。
会社の中に階層が生まれつつあります。

昔は、北京語が今よりもっとダメだったので、
コミュニケーションでは
専ら副総経理の譚(タン)さんに頼っていました。
私が話した意味を、会議の席上だけではなく、
喫煙コーナーなどで、
「日本人の考え方というものは・・・」と補足しながら
何度も同僚に話してくれたと思います。
おかげさまで、古参の社員たちは
私の価値観・考え方をある程度は理解してくれていると思います。

ダスキンの代理をしている株式会社武蔵野に倣って、
経営計画書小冊子版を毎年社員全員に配っています。
それには、
会社哲学(会社使命、展望、価値観、戦略)から始まって、
各種政策・方針、最後には売り上げ/利益目標が記されています。
毎月月初に、前月の結果を社員全員で共有するとともに、
心がけて欲しいことを話します。

ただ、どこまで私の思いが通じているかは、
実際に起こったことでしか測れません。
品質クレームなど、がっかりするような、
あるいは腹立たしくなるようなことが起こります。
組織で動いているつもりでも、
社員一人一人の考え方に一貫性がないこともしばしばです。
しかし、一人の卓越した個人の力で
切り盛りする段階では無くなっていることは確かです。

今日の標題は、James C. Collinsの
“Built to last(邦題「ビジナリーカンパニー」”に
出てくる言葉です。
私の場合はカリスマ性も類まれなる能力も無いので、
みんなの力を借りながらどうやって現在の会社を長持ちさせるか、
仕組みづくりをすることが最大の使命であり、日々の戦いです。


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2005年6月28日(火)

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