石原新さんが歩む21世紀型日本人ビジネスマンへの道

第104回
電信柱が高いのも・・・

私が台湾に来てから「社長は何をすればよいか?」
を思い悩んでいた時に読んだ本のなかで、
最も影響を受けたのは、「一倉定の経営心得」という書籍です。
これは、経営コンサルタントであった一倉定氏の
数々の著書からの引用集で、
私は今でも鞄の中に入れ常時携帯しており、
思い当たる節があるたびにその箇所を読み返しています。
同氏はとても恐い人だったそうですが、
1999年にお亡くなりになってしまったそうで、
残念ながら
生きているうちにはお目にかかるチャンスはありませんね。

同氏の言葉の中には、
いくつも是非ご紹介したいものがあるのですが、
今日のは社長の責任に関するもので、
「電信柱が高いのも、郵便ポストが赤いのも社長の責任である」
という言葉です。
この「電信柱が・・・みんなわたしがわるいのさ」という唄い文句は
昔の都都逸にあったものだそうですが、
それは後になって元の会社の大先輩から教わりました。

要は、社長の責任において決定した事に留まらず、
会社の中で何がどうなっていようとも、
その結果に対する責任は社長がとらなければならない。
「知らなかった」とか、「それは部下のやったこと」
では相すみませんよ、という言葉なのでした。
人の上に立つものは、
「部下が何をしようとそれはすべて自分の責任である」
という態度がなければ、本当の意味で人を使うことはできない、
部下の信頼を得ることはできない、と一倉氏は書いています。

仕事中や会議の席上で、
喉まで出かかった言葉を飲み込むことが時々あります。
その時は、この言葉を思い出しているのです。
人間ですから、弱いもので、
つい出来なかった言い訳をしたくなるのですが、
結果に対しては、言い訳をできないのが社長なのだ、
と教えてくれる言葉なのです。

考えてみれば、これは経営上だけでなく、
教育や、人付き合いのなかでも同じことだなぁ、
と思える場面がありますね。
でも、たまには、「そんなこといったってさぁ」と
グチをこぼせる相手がいるといいですね。


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2005年6月30日(木)

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