石原新さんが歩む21世紀型日本人ビジネスマンへの道

第121回
ワンマン経営とは

衣料ブランド、「ユニクロ」を展開する
ファーストリテイリングの玉塚社長が
業績不振を理由に辞任しました。
「就任3年で売上4000億円奪回を目指したが、
達成できなかったのでケジメをつけたい。」
ということでした。

記者会見後の各社ニュース記事のなかで
気になった点が二点ほどあります。
一つは、創業者でもある柳井会長の
「緊急事態の中、早期の構造改革実現には独断専行が必要と判断し、
社長に復帰した。」
というコメント。
もう一つは、
「今回、経営目標を到達できなかった責任を
玉塚社長だけがとった形となり、社内には不満もくすぶっている。」
というコメント記事です。

一倉定氏の「経営心得」という本に、
「ワンマン経営こそ本当である」という一項があります。
「ワンマン経営とは、社長が全てのことに権力をふるって
勝手なことをすることではなくて、
社長ただ一人が事業経営の全ての責任を負うことである。
ワンマン経営のないところ、真の経営などあり得ないのである。」

合議制・民主経営などと言っているから、
会社がどれだけ社会に迷惑をかけたか判別もつかず、
自らの責任を省みずに社長の椅子に恋々と居座ったり、
相談役に退いてお茶を濁す、
といった対応が罷り通ってしまうのです。
ユニクロについては売り上げはパッと見停滞しているものの、
利益はきちっと上げているし、
社員のなかには厳しすぎる処置と感じる人もいるのかもしれません。
しかし、柳井氏は玉塚氏に会社のさらなる成長を託した、
玉塚氏は残念ながら期限内にその使命をまっとうできなかった。
経営思想の違いもあったようですから、
経営者としては、至極当然の身の処し方と思います。

勿論社長のすることがすべて正しいわけではありませんから、
会社の方向が間違っていると思えば
喧々諤々の議論をするのは良いでしょう。
しかし、一度全社の方針が決まったら、
それに対して責任を負うのは社長一人しかいないということです。
私も肝に銘じたいと思います。


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2005年7月25日(月)

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