服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第9回
ビタミン・チャームの香り

おしゃれとはビタミンに似ています。
身体にビタミンが満ち満ちているのが理想で、
もしそれが少なくなったら、ビタミン補給をする。

人間には誰しもビタミンCならぬ
「ビタミン・チャーム」(魅力の素)みたいなものがあって、
二十歳(はたち)頃を頂点に次第に少なくなってゆく。
つまり若い頃はそれほどおしゃれの必要はなくて、
「ビタミン・チャーム」が減りはじめてこそ大切なのです。
つまり大人になればなるほど
おしゃれが必要になってきます。

たとえば香水やオーデコロンについても
まったく同じことが言えるでしょう。
赤ちゃんの匂いのなんと甘いこと。
男でも女でも十七歳くらいは思わず抱き締めたいほど若く、
青い匂いを放っています。
でも、残念ながら大人はそうではないのです。
だからこそもっと真剣に「香りのおしゃれ」について
考えるべきなのです。

まず香水売場に行って、
三種類のおすすめを選んでもらいます。
この三種類のなかから
もっとも好みに合ったものを入手しましょう。
というのは素人の場合、香りの良し悪しを
一度に選別できるのは、せいぜい三種類位で、
あとは全部良い匂いになってしまうからです。
鼻はそれほどだまされやすい部分でもあるのです。

さて、買ってきたオーデコロンをどう使うか。
実はオーデコロンはいちばん最初に身につける
下着なのです。つまりパンツを穿く前に。
なぜならオーデコロンのもっとも効果的な場所は、
下腹部につけることだからです。
もう少し具体的に言えば、丹田(たんでん)です。
ヘソの下10センチ位のところ。
もしアトマイザー方式(スプレー式)なら、
二吹きほどこの位置にスプレーする。
やがて時間とともに身体で温められた良い匂いは、
上へ上へと立ちのぼって、
ごく自然な香りとなってくれるのです。
くれぐれもつけすぎにはご注意くださいね。


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