服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第25回
なぜベルトの穴は奇数なのか?

ベルトの穴をゆっくり数えたことがありますか。
3つ、5つ、7つ・・・。
まず例外なく奇数になっているのです。
これはベルトは原則として
真ん中の穴で留めることになっているからなのです。
中央の穴で留めると、左右に同数の穴が位置することになり、
美しいバランスが保たれる・・・。
もう一度ベルトの穴を数えてみて下さい。

つまりベルトのサイズは必ず中央の穴で
きっちり留まるよう調節することが大切なのです。
後にサイズの合ったベルトであっても、
同じベルトばかり毎日使っていると、
いつか必ず「く」の字型になってしまいます。
どうしても後中央のベルトループに力が強くかかるので、
「く」の字に曲がってしまうのです。
ベルト・ループに右側から通すか、それとも左側から通すか、
これはその人のクセのようなものですが、
これを2、3日置きに交換すると、
「く」の字になることを防げるでしょう。

もちろん同じベルトばかり使わないのが、最上の方法です。
またベルトをしまっておく場合、ネクタイと同じように、
バックルを中心にして丸く巻いておくことをおすすめします。

ところで世の中には
まったく穴の開いていないベルトがあるのをご存知ですか。
それはメッシュ・ベルトです。
やや太いゴム紐を編んだような感じのベルト。
これはどの位置でも自由に
バックルのピンを通すことができますから、
穴の必要がないのです。
そして言うまでもなくゴムの伸縮性がありますから、
食事の前後でベルトの穴を調節する必要もないわけです。
また「く」の字になる心配もほとんどありません。

もしチョッキの下にベルトを締める場合には、
少しバックル位置をずらしておきましょう。
最初のベルト・ループを外して、
もうひとつ左側のベルトループからベルトを通す。
こうしておけばチョッキの下からバックルがのぞくこともなくて、
上品な着こなしになります。


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