服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第27回
1日2回のおたのしみ

ネクタイ地の名前をいくつ知っていますか?
ポプリン、レップ、サテン、シャンヌン、フラード、
バラシア、ファイユ、レジェンス・・・。
これは絹の基本素材で、その上に
様ざまな色や柄があしらわれるわけですから、
その種類は星の数ほどになってしまうでしょう。
しかも絹ばかりでなく、ウールやカシミア、
コットンなどが使われることもあります。

つまり私たちが「ネクタイ」だと思っているものは、
全体のごくごく一部でしかないのです。
もっと幅の広い選択を愉しみたいものではありませんか。

朝、会社に出る。
午前中仕事をして、昼にはランチを食べる。
このランチの時にネクタイにシミをつけることもあるでしょう。
こんな場合に替えのネクタイをもう1本用意しておくと、
午後も新鮮な気分で仕事が続けられるかも知れませんね。

でも、もっと積極的に
「1日2本主義」というのはどうでしょうか。
ネクタイは1日に2本。
たとえば午前と午後とでネクタイを換えてみる。
どうせなら、はっきりと印象の異なるネクタイに換えてみる。
鞄の中にもう1本のネクタイを入れておけばよいことですから、
それほど手間のかかることではありません。

ネクタイを二つ折りにして、
中心からクルクルと巻いておけば、それほど邪魔にもならず、
またシワにもなることもないでしょう。
もし実際にネクタイを換えなくても、
もう1本用意しているというだけでも、
少しゆたかな気分になれるのではないでしょうか。

色を変える、柄を変える、生地を変える、結び方を変える・・・
いろんな遊び方があると思います。
ネクタイを換えることで、自分自身の気分転換もできるでしょう。
1日1本と決めつける必要はまったくありません。

もちろん場合によっては夜の食事用に
またネクタイを換えてみるのもひとつの方法です。
さあ、ネクタイを、人生を愉しみましょう。


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