服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第49回
靴下を上手に履いていますか

足のサイズを正確に測る方法、知っていますか。
おおよそののサイズは知っていても、
正確な足のサイズを知っている人はまれだからです。
もちろん定規の上に足を乗せれば分かることですが、
実はもうひとつ方法があるのです。

まず握りこぶしを作ります。
この握りこぶしの頂点に添って、周囲をメジャーで測る。
これはきっかりその人の足のサイズと同一です。
両手を左右に伸した長さを一尋(ひとひろ)と言いますが、
この長さがその人の身長と同じであることは
よく知られている通りです。
人間の身体は、神秘的なほど
各部分で深い関連性を持っているのです。

さて、何が言いたいのか。
自分の足にぴったりと合った靴下を選びましょう、
と言いたいのです。
現在の靴下は多少の伸縮性があるだろう、
と安心していることもあって、
意外に厳密なサイズには無関心なのです。
同じ25cm、26cmでもメーカーやデザインによって
微妙な違いがあるにもかかわらず、
あまり気にしないことが多い。

ではサイズが合っていない靴下を履くと、どうなのか。
まず第一に履き心地が悪い。
第二に靴下がずり落ちる原因となる。
足首のあたりで靴下がトグロを巻いているのは
感じの良いものではありません。
靴下がずり落ちるのは
口ゴムが弱いせいだと考えるむきがありますが、
むしろ足にサイズが合っていないために起こることが多いのです。

しかし、ここにひとつだけ絶対に靴下が
ずり落ちない方法があります。
それはソックス・ガーター(靴下留め)を使うことです。
戦前の男たちはたいていこれを使ったものですが、
今でもトラッド・ショップなどへ行くと
ひっそりと置いてあったりします。
これは膝上で留め、ここから靴下を吊す古典的なやり方なのです。
ソックス・ガーターさえあれば、サイズが合ってなかろうが、
口ゴムがゆるんでいようが、
絶対に靴下はずり落ちませんよ。


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2002年11月11日(月)

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