服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第62回
ブーツにひと工夫を加えてみよう

チェルシー・ブーツというのを知っていますか。
これはサイド・ゴア・ブーツの別名なのです。
踵をすっぽりと包むくらいの深さで、
両脇にゴム布を配して履きやすくなっているのが特徴。
1960年代のはじめ、ロンドンのチェルシー地区で
流行に敏感な若者に売られたところからその名前があります。

サイド・ゴア・ブーツの有難い点は、
足首にぴったりフィットしてくれることです。
多少、裾口の細いトラウザーズを穿いたとしても、
すっきりと収まってくれる。
靴と裾口とが干渉してだぶつくことがないわけです。
とにかくズボンと靴とをスマートに一体化させようとしたなら、
サイド・ゴア・ブーツが活躍してくれるでしょう。

ひと口にサイド・ゴア・ブーツといっても
様ざまなデザインとスタイルとがありますから、
好みに合ったものを選ぶことができます。
少なくとも頭から若者専用と決めつけることはありません。
購入の際に注意することは、ゴム地の質。
厚手で、しっかりとしたゴム地であることを確認して下さい。
この部分が弱いと、履いているうちに
波打ったようになることがあります。

さて、今の時期にサイド・ゴア・ブーツを
おすすめする理由のひとつは、保温性が高いからです。
そしてさらにはサイド・ゴア・ブーツの中に、
保温性の高いインソール(中敷き)を入れたりすることによって、
完全なものに仕上げることもできるでしょう。

インソール(中敷き)の厚さによっては
若干サイズが違ってきます。
もし念を入れるなら、先にインソール(中敷き)を決めておき、
試し履きのときにこれを入れた状態で行うと
まず失敗がないはずです。

これでやや厚手のウールソックスなどを合わせると、
鬼に金棒でしょう。
トラウザーズのラインが美しく、
しかも足もとがぽかぽかとしているというのは
なんとも嬉しいものです。
ぜひ一度、サイド・ゴア・ブーツを。


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2002年11月24日(日)

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