服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第63回
百年は着られるレザー・ジャケット

良いレザー・ジャケットの見分け方を知っていますか。
それは革の表面の匂いを直接に嗅いでみることです。
ごく自然な、良い匂いがしたなら、
それは間違いなく良い革が使われています。
それはつまり、革のなめしが
丁寧に行われたことを示しているからです。

また白い革以外は、
指先でさわってみる方法もあります。
革の表面がなめらかで、柔かく、均一であれば、
まず例外なく上質の革です。
白い革はあまり手でさわると汚れてしまうので、
注意しましょう。
少し細かい点ですが、下袖(袖の下側の部分)を
よく見ることも大切です。
もしここにも良い革が使われていたなら、
高級品だと判断してよいでしょう。
なぜなら質を落とそうとする時、
まず最初に手を抜きたくなるところだからです。
また、ボタンが丁寧かつ丈夫に付いていることも
ポイントのひとつでしょう。

つまり良いジャケットとは、
良い皮で仕立てられているか否かにかかっているのです。
”なぜか”それは革の質が上等であればあるほど着心地が良く、
永く着ても型崩れがないからなのです。
逆に言えば、それほどに革の上着は永く着られるのです。
結局、シンプルで、良いものを永く着るのが
おしゃれだ、ということになるでしょう。
「この上着は20年物だよ」というのは粋なせりふなのです。

レザー・ジャケットの上手な着こなしは、
質感に工夫することにあります。
むしろ色を揃えて質感を変える。
たとえば同じ黒なのだけれど、レザーとツイード、
レザーとニット、レザーと粗いウール・・・。
つまり質感のコントラストを
上手に表現することをおすすめします。

革の汚れはレザー・クリーナーで簡単にきれいになります。
むしろ汚れよりも乾きに注意して下さい。
油分が少なくなると、当然乾きます。
ミンク・オイルなどを塗ることになります。
が、匂いが強すぎる場合には、
人間用のハンド・クリームなどをすり込みましょう。


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2002年11月25日(月)

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