服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第90回
着物を上手に選ぶコツ

着物をどこで買うか知っていますか。
デパート。
もちろんデパートでも着物は買えますね。
場合によっては出来合いの着物も見つかるでしょう。
でも、着物は基本的に買うものではなく、
仕立ててもらうものなのです。

まず呉服屋へ行って、生地を選ぶところからはじまります。
今では「呉服屋」すなわち着物屋
といった感がありますが、
昔はそうではなかった。
着物のなかでもとくに絹地を扱う店を
「呉服屋」と言ったのです。
これに対して木綿や麻地を商う店を
「太物店」(ふとものだな)と呼んだのです。

それはともかく呉服屋へ行きます。選び方。
そうですね、替上着の生地を選ぶつもりになれば良いでしょう。
最初の1枚はいわば練習用ですから、
それほど高価である必要はありません。
着物を着ているうちに2枚、3枚と欲しくなり、
そのうち自然に目が肥えてくるものなのです。
最初は無地を中心に選ぶ。
仮に柄物の場合でも、少し離れて見たなら
無地に見えるものが良いでしょう。

かつては生地は生地、仕立ては仕立てと分れていました。
が、今ではたいてい呉服屋が仕立てもやってくれます。
もしそうでない場合には仕立て屋を紹介してくれるでしょう。
着物にも当然、胴裏や裾まわしなどの裏地が必要になります。
もちろんこれも、絹。
そして凝りはじめればキリがありません。
とりあえずコントラストの
美しい色を選ぶことをおすすめします。

着物に合わせる肌じゅばん、
長いじゅばんは既製品で間に合わせることもできます。
でも、もし可能ならば長じゅばんは
生地を選んで仕立ててもらったほうが良いでしょう。
長じゅばんは洋服における
ワイシャツに似ているかも知れません。
もちろん好みによっては
アロハ・シャツにもたとえたいような
和風の柄を選ぶことも可能です。

このように着物選びをはじめると楽しくて楽しくて、
つい時間を忘れてしまうでしょう。


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2002年12月22日(日)

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