服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第110回
スポーツ・ジャケットの上手な着こなし方

今、替上着を何着持っていますか。
3着、5着、7着。
いや何着持っているかということが問題なのではなく、
もっと替上着について関心を持ってもらいたのです。

いざという時の男の服装の基本が
スーツにあることは言うまでもありません。
けれども仕事以外でのちょっとした外出では
替上着になにかを組合わせることが多いのではないでしょうか。
おそらく今後何十年間のうちに、スーツはだんだんと
フォーマル・ウェア化するに違いありません。
ということは現在のスポーツ・ジャケットとパンツの組合わせが、
ごく常識的なビジネス・ウェアになるのも、
そう遠いことではないでしょう。
やがてその日が来るまで、
もっと替上着に親しんでおいても良いのではないでしょうか。

“スポーツ・ジャケット”は
どちらかといえばイギリスでの表現で
アメリカでは主として“スポーツ・コート”と言います。
でもこれはいずれもまったく同じものを指しているのです。
時には“オッド・ジャケット”とか
“カントリー・ジャケット”の名前で呼ばれることもあります。
もともとは19世紀、英国でのカントリー・ライフから
生まれているからです。

もっと具体的にいえば、昔の狩猟服や乗馬服が、
現在の替上着の源になっているのです。
その典型例がノーフォーク・ジャケットですが、
これについては後でゆっくりと述べることにしましょう。

スポーツ・ジャケットを上手に着る方法。
それはパンツとのコントラストにあります。
替上着とあまり似すぎては面白味がない。
かといって無関係では野暮になる。
たとえば替上着がはっきりとした柄物であるなら、
パンツは無地にする。
あるいは明るい色調の替上着には
ややダークなパンツを組合わせる。
それも巧みに同系色で揃えるようにすると、
コントラストが演出できるでしょう。
たぶんスーツよりもずっと楽しい着こなしになるはずです。


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2003年1月11日(土)

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