服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第111回
チェックの替上着には何を合わせるか

ガンクラブ・チェックという柄があるのを知っていますか。
全体に小さな格子柄で、日本でいう千鳥格子に似ています。
ただし実際には「千鳥格子」は
“シェパード・チェック”で、別物です。

シェパード・チェック(千鳥格子)はややぼやけた感じの格子。
これに対してガンクラブ・チェックは
もう少し角が立った印象があります。
そして現実にはガンクラブ・チェックを
千鳥格子だと誤解される傾向があります。
でもガンクラブ・チェックはちょっと訳しようがありません。
しかし今も昔も古典柄のひとつであり、
紳士用、婦人用を含めてごく身近な格子柄のひとつです。

どうして“ガンクラブ・チェック”という名が付いたのか。
これは1874年にアメリカで、射撃クラブが結成され、
そのユニフォームの柄として作られたところから
その名前があります。
そもそもは茶色とクリーム色で表現された柄であったからです。
生地がツイードであったことは言うまでもないでしょう。

ひとつひとつの柄を数えあげればきりがありませんが、
替上着にはよく格子柄が使われます。
むかしから狩猟服や乗馬服に
ふさわしい柄とされてきたからでしょう。
ガンクラブ・チェックもそのひとつです。
今ではブラウン系をはじめ、グリーン系、グレー系、
あるいはブラック&ホワイトによる表現などがあることは
ご存知のとおりです。

たとえばガンクラブ・チェックの替上着が一着あると、
さまざまな着こなし方が楽しめることでしょう。
下にスポーツ・シャツやスェーターを
重ねたりすることもできます。

しかしここでひとつ注意したいのは、
柄と柄との重なりを避けることです。
たとえばブラック&ホワイトの柄であれば、
グレーの無地のフラノ地などのパンツを組合わせる。
柄物に対しては無地を合わせるのが原則です。
しかも色を揃えて、上下でメリハリが生まれるように工夫すれば、
もう着こなしは完璧です。


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2003年1月12日(日)

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