服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第126回
ブレザーのボタンで遊んでみよう

ブラザーにはどうしてメタル・ボタンが付くのか
知っていますか。
ブレザーはスポーツ・ユニフォーム、
または制服としてはじまったものです。
お揃いの、なにかマークの入ったボタンを大量に作るには
メタル・ボタンのほうが都合が良かった、
という事情があります。
そもそもはじまりが金属ボタンであった。
だから今なお伝統的に真ちゅうなどの
メタル・ボタンが使われるわけです。

「ブレザーもいいが、あの金ボタンがどうも気になって」
とおっしゃる方があります。
替上着に革ボタンは付きもの。
同じようにブレザーには金ボタンが付きもの、
と割切ってしまえばまったく問題はありません。

でも、ブレザーには絶対にメタル・ボタンかといえば、
必ずしもそうと決っているわけでもないのです。
たとえば夏に着るブレザーには
白い貝ボタンを付けることがあります。
極端な話をすれば、
一着のブレザーのボタンを交換することで、
一年通して着ることも不可能ではありません。

またエナメル・ボタンということもあります。
七宝焼のボタン。
さまざまな模様をエナメルで仕上げたボタンで、
高値ではありますが、通常のメタル・ボタンに較べて
上品な感じのするものです。
つまりブレザーに付いているボタンに関しては、
もっと自由に考えて良いのではないでしょうか。

私などもよくノミの市などで
古いメタル・ボタンを探してきたりします。
またその古いボタンを金具磨きでピカピカにする人もいます。
いや、古色がついていて味のある、という人もいます。
さらにはロウソクの炎でいぶしたりして、
よりいっそうの渋みをつける人もいます。

ブレザーというとなにか構えてしまいそうですが、
スポーツ・ジャケットの一種だと考えれば
楽な気持で袖を通せるはずです。
またそのブレザーに、どんなボタンを付けようかと
あれこれ考えるのも楽しいものではありませんか。


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2003年1月27日(月)

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