服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第127回
ブレザーとパンツの組合わせ

フランネルという生地を知っていますか。
“フランネル”flannel。
日本語の「フラノ」のことです。
これは古いウェールズ語の“グワレン”gwalen
という言葉から来ているそうです。
それは「ウール地」の意味であったとのこと。
想像以上に古い歴史を持つ布地で、
むかしはまるで毛布のような生地で、
厚く、丈夫な、頼りになる素材だったのでしょう。

今でもブレザーといえばフラノ、
フラノといえばブレザー。
このふたつは切っても切れない縁で結ばれています。
表現を換えるなら、良いブレザーとは
よいフラノ地が使われているもの、とも言えるでしょう。
ブレザーを購入する前には必ず、生地に触ってみましょう。
粗い感触のするものは避けて下さい。
しっかりと緻密ではあるけれど、
どこかにしなやかな温もりを
感じさせるものが上質のフラノです。
2着の異なるブレザーを、左右の手で触り較べてみると、
素人にもその違いが分ります。
ぜひ一度試してみて下さい。

それはともかくフラノのブレザーに
フラノのパンツがよく合うのは当然のことでしょう。
ごく常識的にいえば
ネイビー・ブレザーにグレー・フランネルのパンツ。
これはもう永遠のコーディネイトです。
つまりネイビー・ブレザーにグレー・フランネルなら、
あとは何をVゾーンに組合わせても必ずサマになります。
それほど最良最高の組合わせなのです。

でも同じグレー・フランネルでも
ダーク・グレーとライト・グレーでは
また味わいが変ってきます。
淡いグレー・フランネルのパンツほど、
全体の印象は軽快になってきます。
さまざまなグレーのなかから好みの色あいを見つけて下さい。

いざドレス・アップという場合に、
白いフランネル・パンツを合わせる方法もあります。
“ホワイト・バックス”と呼ばれる
白い靴を合わせたりするのです。
本当にブレザーの着こなしは無限と感じるほどに広いですね。


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2003年1月28日(火)

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