| 第170回春です、財布です
 もし財布を買うとすれば、いつが最良の時期だと思いますか。
 それは春です。春財布。
 その心は「張る財布」。
 お札がいっぱいになって、張る財布。
 もちろん「春」を「張る」にかけての言葉遊びであり、
 縁起かつぎであります。
 しかし昔の日本人は半ば本気でそれを信じていたのです。
 春はまたフレッシュマンの季節でもあります。学生時代に使っていたスポーティーな財布が
 少しくたびれているようなら、
 社会人一年生を期に買い換えるべきでしょう。
 財布は大きくふたつに分けて、「束(たば)入れ」と「札入れ」とがあります。
 お札を細長いまま入れておくのが、束入れ。
 一方、二つ折式のものが札入れ。
 細長いかたちとやや正方形に近いかたち、
 と言って良いかも知れません。
 そのどちらも一長一短があります。
 でも、私としては札入れをおすすめします。
 つまりフレッシュマンには二つ折り式の財布のほうがふさわしい。なぜなら束入れに較べて、収納場所を問わないからです。
 もちろんパンツのヒップ・ポケットにも
 入れることができるでしょう。
 これに対して束入れは
 どうしても上着の内ポケットに入れることが多い。
 上着はいつも着ているわけでなく、
 脱いでどこかに掛けておいたりもする。
 ―このような使い方を考えれば、
 札入れのほうがより機能的で、より安全だと思います。
 さて、札入れでひとつ注意すべきは、小銭入れを別にしておくことです。
 ひとつの財布に小銭はもちろん、
 あれもこれも入れると、重く、嵩張ってしまう。
 万一、紛失した際にも大事件になってしまうでしょう。
 とにかく財布になにもかにも入れてしまうのは考えものです。
 ところで財布の色は、黒。黒革の財布。小銭入れ、カードケース、手帳、キイ・ホルダ・・・。
 小物はどうしても増えてしまうものですが、
 黒革ならすべてを統一しやすいからです。
 革小物の色を統一したほうがスマートであるのは
 言うまでもないでしょう。
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