服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第272回
小さな花日記

花の名前を知っているほうですか。
今の時期なら、あやめ、あじさい、ゆりの花・・・。
ざっとこんなところでしょうか。
つまりほとんど花の名前を知らない人間なのです。
花屋の店先に立って、
さて、いくつの名前が言いあてられるでしょうか。
まして野山に出れば、
ほとんどが「名も知らぬ花々」になってしまうでしょう。

花そのものは好きなのだけれど、
名前が覚えられない。残念なことです。
記憶力の問題でしょうか、愛情の問題でしょうか。

今、考えている小さな計画を聞いてくれますか。
まず1冊のノートを用意する。
いつでも持って出られるような、
自分の好みに合ったノートを探してみる。
いや、ノートではなくて
「白い本」なんかでもいいですね。
時折、なにも印刷していない白い紙を綴じただけの本。
自分で勝手に書き込んで、
1冊の本に仕上げるわけです。

さて、自分専用のノートを用意して、散歩に出る。
小道に咲いている小さな草花を見つけたなら、
ひとつだけ頂く。
もちろんこれをノートにはさんで
押し花にしようというわけです。

もしノートだけで軽すぎるようなら、
上に少し厚い本を重ねても良いでしょう。
あるいは花とノートの間には
なにか1枚薄紙をはさむのも良いでしょう。
1、2週間で、簡単に押し花が完成するはずです。
散歩の楽しみがまたひとつふえるに違いありません。

ピクニックや小旅行、キャンプなどの際にも、
なにか花を見つけたいものです。
それは四つ葉のクローバだっていいのです。
でも、いつ、どこで見つけたのか、
1行、メモを記入しておくべきでしょう。
しばらく経ってからノートを開くと、
その花を見つけた時の印象がよみがえってくるはずです。
花の名前が分らないときは、
あとで図鑑で調べたりすることもあるでしょう。

また花の余白に、その時の気持を1行書いておく。
これくらいなら私にも出来そうです。
ノートがいっぱいになると、
小さな花日記になります。


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2003年6月22日(日)

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