服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第327回
愛情を感じるベルトを作ってみる

ジーンズをはくことがありますか。
今どきジーンズをはかない人は少ないでしょう。
私なんかも毎日のようにはいています。
ジーンズを上手にはくのに欠かせないのが、
幅広の、しっかりとしたベルト。
でも、これがなかなか見つからないんですよね。

ジーンズ用のベルト、
私はたいてい自分で作っています。
なに、実に簡単なことです。
たとえば、「東急ハンズ」なんかをのぞいてみると、
バックルはバックル、
革帯は革帯で売っていますから、
この中から自分のすきなものを組合わせれば完成。
革帯をバックルに通して、
留具を打ちつけるだけですから、
簡単というのが恥かしいくらいです。

さて、もう少し作るよろこびを味わいたい、
という人には次のような方法があります。
たとえばウエスタン・ベルトを作ってみる。
ウエスタン・ベルトにもさまざまな種類がありますが、
俗に“スリー・ピース”と呼ばれるデザイン。
これはバックルとベルト通し、
そしてベルトの先端が装飾的な銀製で
セットになっているもの。
いつかTVでブッシュ大統領が
この式のベルトをしているのを観ました。
この金具はウエスタン・ショップで売っています。
まず金具を買ってから、それに合うサイズの革帯を買います。
あとはこれを組合わせるだけ。
でも穴を開けたり、微調整は必要ですから、
少しは作る楽しさもあります。
厚いゴム製の下履きと、
やはりゴム製のカナヅチがあると理想的でしょう。

もう少し手先の器用な人なら、
レザー・カービングをおすすめします。
これは革帯部分に
まるで彫刻のような美しい装飾をほどこすものです。
専用の金具と木ヅチで、少しづつたたいて
模様を浮かび上がらせるやり方。

もしもレザー・カービングが難しいというなら、
コンチャと呼ばれる金具を打ちつける方法があります。
革帯に小さな穴を開け、
ここにシルバーの飾りを付けるのです。
間違いなく1時間以内で自分だけのベルトが完成します。
そして間違いなく、
ジーンズのはき方が格段に上達します。


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2003年8月25日(月)

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