服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第359回
さあ、脚を長くしてみましょう

自分で脚は長いほうだと思いますか。
私自身はふつうだろう、と思っています。
でもね、実際の話、脚が長いかどうかは
あまり関係なのです。
むしろ長く見えるか見えないか、だと思います。
さらに結論づけるなら、
全体の着こなしのバランスのなかで、
上半身と下半身の割合を
上手に演出できるかどうかが大切なのです。

私は「服屋」ですから当然、
人の着ている服が気になります。
毎日毎日、他人の服を観察しています。
目に入ってくるのだから仕方がない、
という面もあるでしょう。
私の統計上?ざっと8割の男が
パンツの穿き方で失敗している。
その結果、脚が短く見えてしまうこともあるでしょう。
まあ、それはさておくとして、
スーツのバランスを崩す結果になっているのです。

スーツの着こなしを左右するのは、
パンツの穿き方である、と言いたいのです。
スーツを着る時、どうしても上半身に目が行く。
でも上半身はほとんど動かしようがないのです。
けれども下半身のパンツについては
かなり自由に調節ができるでしょう。

私が見るところ、ざっと8割の人たちが、
パンツを下げて穿いています。
楽な穿き方に慣れて
それが当り前だと、思っているのでしょう。
私なら少なくともあと3cm上に上げて穿きます。
パンツとはベルトなりサスペンダーを使って
しっかり上に上げ、
腰全体を包むように穿くものなのです。
ここに男ならではの研究があり、
工夫があり、努力があると思うのです。

さて、次に股下の問題です。
これまた私の統計学?の結論ですが、
約8割の男性の股下は2cm短い。
ごく単純にパンツの丈が短いのです。
パンツとは腰から下に流れて、
靴の甲にしっかり届いて、
なおかつ少したるみが生まれる位が
ちょうど良い長さなのです。
あと2cmは長くするべきです。

そうすると3cmプラス2cmで、計5cm。
たいていの人はこの5cm分
損をしていることになるのです。


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2003年9月26日(金)

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