服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第377回
ワイシャツ着こなしの裏わざ

ネック・サイズが何センチであるか、
知っていますか。
言うまでもなく首まわりの寸法ですね。
ワイシャツを上手に着るためには
このサイズが重要なきめ手になります。
ごく一般的な目安ですが、
40センチ前後でしょう。
ネック・サイズが38センチの人もあれば、
42センチの人もいるでしょう。
いずれにしても自分のサイズを正確に知っておいて
損はありません。

ワイシャツは試着できる場合と
できない場合とがあります。
試着できない場合には、
自分のサイズに合わせて買う。
あるいはあらためてサイズを測ってもらうことになります。
ただ問題は、着心地の感覚が
ひとりひとり違っていることです。
単に数字だけを頼りにすることは出来ない。
またメーカーによっても若干の違いがあります。

ふつうワイシャツと首との間に
自分の指が2本ほど入るくらい。
これが適正なネック・サイズとされます。
とにかくやっと第1ボタンが留められるような
タイトな衿まわりは避けることです。
ゆとりを充分考えること。
体格の立派な人ほどゆとりを多くとる必要があります。

衿が窮屈だと、
ネクタイが結びにくく、
衿の形が崩れる原因となるからです。
またコットンの場合、
どうしても少し縮む傾向があります。
あまりルーズすぎるのも問題ですが、
適度にゆとりのあるネック・サイズは、
ワイシャツのおしゃれの出発点です。

まずネック・サイズを決め、
次に袖丈を選択する。
というのは袖丈は調節が可能だからです。
場合によってはアームベルトなどを
使うこともできるでしょう。

これはちょっと例外的な着こなしになりますが、
わざと第1ボタンを外すやり方があります。
少しネック・サイズの大きいシャツを選び、
あえて第1ボタンを留めない。
で、その上でネクタイをしっかりと結ぶ。
すると左右の衿がやや中央に引寄せられて、
よりシャープな印象になるというのです。
ワイシャツのおしゃれもこれでなかなか奥が深いのです。


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2003年10月14日(火)

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