服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第404回
ドレス・アップ用ジーンズ

1週間のうち何回くらいジーンズを穿きますか。
私の場合、平均して2、3回くらいでしょうか。
ところが『遊歩人』を眺めていると、
なぎら健壱さんは、1年360日はジーンズ姿だというのです。
『遊歩人』については「www.bungenko.jp」を参考にして下さい。
つまりほとんど毎日、ジーンズ。
こうなるとジーンズでない時には
どんな様子であるのか、
そっちのほうが気になってしまいます。

でも、広い世の中には毎日毎日、
必ずジーンズという人もいるでしょう。
なぎら健壱さんがユニークなのは、
折目をつけることです。
ちょうどウールのパンツを穿く時のように、
クリース(折目)をつけるというのです。

ジーンズのクリース、
これはやってみると面白い。
もちろん最初はアイロンで折目をつけるわけです。
これを半年ほど続けていると、
折目部分だけが半ば白くなってくる。
仮にことさら折目をつけなくても、
さも折目をつけているように見える。
ブルー・デニムならではの特徴と言って良いでしょう。

むかしカウボーイは
この2種類のジーンズを持っていました。
作業用と外出用です。
仕事が終った後、あるいは休日の日には
サルーン(酒場)へ行って、酒を飲み、ダンスをする。
この時には休日用のジーンズを穿いたのです。
そして明らかに休日用ジーンズであることを示すために、
クリースを入れた。
作業用ジーンズではありませんよ、と。
ここにカウボーイのダンディズムがあったのでしょう。

折目をつけるかどうかはさておき、
ドレスアップ用のジーンズを
1本用意しておくのもひとつの方法です。
好みのジーンズを1本買う。
で、新品の状態から
ゆっくりと穿き込んでゆくわけですね。
そして、ここぞという場合にだけ穿く。
たとえばネイビー・ブルーのブレザーに合わせて、
タイを結ぶ。
靴もスニーカーなどではなく、
しっかりとしたスリップオン・シューズを合わせる。
これできっと着こなしの幅が広くなり、
ジーンズ再認識にもつながるはずです。


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