服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第405回
若さの特効薬 ウエスタン・ジャケット

ウエスタン・ジャケットを着たことがありますか。
ウエスタン・ジャケットは日本でいう
「Gジャン」のことなのです。
GIパンツを省略して「Gパン」。
これにならって「Gジャン」の言葉が生まれたのでしょう。
でも正しくは“ウェスタン・ジャケット”です。

ウエスタン・ジャケットの原型は、
1905年に登場した“デニム・ブラウス”にあります。
ご存じリーバイスが考案した、作業用ジャケット。
この当時からすでに、
胸元でタテに畳まれたプリーツがありました。
言うまでもなくノーフォーク・ジャケットに
ヒントを得たものだったのです。

一方、リーのウエスタン・ジャケットは
1931年にはじまっています。
その名称は“スリム・ジャケット”で、
後に“リー・ライダー”の名前でも
呼ばれるようになります。
このデザインは今なお続いていますが、
これはウエスタン・ジャケットのなかでも
銘品だろうと勝手に考えています。
少なくとも同じデザインが
70年以上つづいていることだけでも立派ですよね。

ウエスタン・ジャケットを上手に着るには
肩線に注目することです。
肩が左右にはっきりと張っていれば、成功。
アイロンをかけるなり、
内側にパッドを仕込むなどして、
とにかく四角い肩を演出することです。
また背中の下にある調節用タブを使って、
逆三角形を思わせるシルエットが
生まれるようにしましょう。

時としてジーンズと合わせて
まるでスーツのような組合わせをすることもあるでしょう。
この場合、上下でコントラストをつけることがコツです。
たとえばやや新品に近いジーンズに、
かなり着込んだジャケット合わせたりするのです。
そしてその中には
大胆なチェックのスポーツ・シャツなどを組合わせましょう。
ウエスタン・ジャケットは心を若くさせる特効薬なのです。

もしもまだご興味おありの方は
『完本ブルー・ジーンズ』(新潮社刊)をごらん下さい。


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