服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第446回
黒いブレザーでドレス・アップ

今、なにか欲しいと思う服がありますか。
私はあります。
そして欲しい服があることは
幸福なことだと思います。
それは自己表現であり、好奇心であり、
心の若さのバロメーターなのですから。

黒いブレザーが欲しい。
黒のブレザーなんてすぐに手に入るでしょう。
むろん私もそう思うのですが、ありそうでない。
どなたかご存じの方はぜひお教え下さい。
ブレザーは今、なぜか紺が多いのです。
ネイビー・ブレザー。
いや、そうではなくて、ブラック・ブレザー。
もちろんシングル前、3つボタン型のブレザー。
両脇はパッチ&フラップのポケットで、
胸もまたパッチ・ポケット。
俗に言う「スリー・パッチ」のブレザーであります。

当然、メタル・ボタンで、
胸にはなにか自分の所属するクラブの
エンブレムがあしらってある。
ユニフォームの一種なのですから、
なにも風変りである必要はありません。
ごくスタンダートな黒のブレザーが欲しい。
そうなると生地もやはり
フラノ地ということになるでしょう。

では、なぜそんなにブラック・ブレザーが欲しいのか。
実はこれでドレス・アップをしてみたいのです。
あえてドレス・シャツにボウ・タイを結ぶ。
黒無地は注意深く避けて、水玉模様か、
あるいは控え目なペイズリー模様などにしたい。
場合によってはカマー・バンドもそれで揃える。
次にパンツをどうするか。
ブレザーにドレス・トラウザーズを合わせる。
脇に側章の入った礼装用のパンツですね。
ときにはこんな着こなしがあっても
良いではありませんか。
さて、靴をどうする。
私としてはパテント・レザーのパンプスに代えて、
タッセルド・スリップオンの靴にしたい。
甲に房飾りの付いた靴ですね。
これをよく磨いて、
フォーマル・シューズの代りをさせてみたい。

ブラック・ブレザーは言うまでもなく、
カジュアルの場面でも大活躍です。
ブラック・ジーンズに、
黒のタートルネックに組合わせるのも
粋なことです。


←前回記事へ 2003年12月22日(月) 次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ