服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第447回
眠れぬ夜のスリーピー・ミルク

ふっと夜中に目がさめることがありませんか。
私はときどきそんなことがあります。
夜中の1時とか2時とか。
そんな時にはベッドから抜け出して
本を読むことにしています。
ふだんは読み通せない難しそうな本を。
『ナント動物学研究序説』なんていうのが良いでしょう。
すぐに眠くなります。
間違っても好みの作家のミステリは避けること。
どうかすると、朝まで読みつづけてしまうから。

夜中にひとりでカタい本を読んでいると、
友達が欲しくなってくる。
そこで私が考案した友達
スリーピー・ミルクなのです。
では「スリーピー・ミルク」とは何か。
まあ、ホット・ミルクの一種なのですね。
ミルク・パンでミルクを適量温め、
これに蜂蜜とブランデーを加えたものです。
まず第1に、はるかに想像をこえて、うまい。
美味と言って良いでしょう。
ギリシア神話に登場するネクタル(不老長寿の霊酒)とは
このことではなかったか、
と思えてくるほどです。
第2に、心と身体が温められてゆく。
そして第3に、いつの間にか眠くなってしまう。
私にとっては自然の睡眠薬なのです。

もう少し詳しく作り方をお教えしましょう。
もっともそれほど大げさなものではありませんが。
ミルクがほぼ温まりはじめたなら、
大さじ1杯くらいの蜂蜜を加えて、
そのままスプーンでかきませておく。
充分温まったところで、好みのカップに注ぐ。
この時、カップの底に少量のブランデーを入れておく。
あとはもう口に運ぶだけです。
それぞれの配分は好みで決めて下さい。
私の場合は、ミルク、ブランデー、蜂蜜が
8:1.5:0.5くらいでしょうか。

ひとつだけ困るのは、
飲んでいるうちに冷めてくることです。
やはり温かいのがよろしい。
なにかアウトドアで使うような、
二重底になった、
フタ付きのカップがあるといいなあ、
などと勝手なことを考えています。
もちろん面倒がらずに
飲みたい分だけ温めれば良いのですが。
でも、少しづつ、ゆっくり、いつまでも
飲んでいたいような優しさがあるのです。


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