服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第450回
重ね着の方程式

ふだんの寒さ対策はどんなふうにしていますか。
私の場合は、帽子です。
今日は寒いかなあ、と思ったときには
たいてい帽子を被ります。
おしゃれでもあり、防寒でもあると、
勝手に考えています。

身体の温かさは頭から逃げてゆくもので、
そこにふたをすると、
想像以上に効果があるのです。
そしてもうひとつ、
帽子はいつでも人前で脱げる。
つまり上手な防寒対策は、
着脱が自由自在であることなのです。
言い換えれば「上に厚く、下に薄く」
ということでしょうか。

帽子、マフラー、手袋・・・。
これらは皆、
いつでもどこでも自由に脱ぐことができますね。
これは実に大切なことなのです。
寒いときには誰でも重ね着をする。
メリヤスの下着に、ウールの下着。
けれどもヒーターの効いた部屋のなかに入って、
それを脱ぐことは出来ません。
これでは下手な重ね着と言われても仕方がありません。

最近、ますます室外と室内の温度差が
大きくなっています。
時と場合によっては、
少し暖房が強すぎるのではないか、
と思えることもあります。
そうすると当然のことながら、暑い。汗をかく。
汗をかいて外へ出ると、寒い。
身体が冷える。それで風邪をひく。
なんと下手な重ね着が風邪の原因だった、
ということにもなってしまいます。

もう一度、服装の構成を考え直してみませんか。
基本的な考え方としては、
できるだけ下着を薄くするのです、少なくするのです。
おいおい、それでは寒いではないか。
だからこそ、に重ねる服で
保温の工夫をするのです。
つまり、人前で脱ぐことが可能なもので。

もう少し具体的にいえば、
充分すぎるほど暖かいコートを重ねる。
これなら下は思いきって少なくしても良いわけです。
そして暖かいコートに加えて、
帽子やマフラーや手袋などの小道具を上手に利用すれば、
賢い重ね着が完成するでしょう。

上手な重ね着で、風邪などひかず、
元気に新しい年を迎えて下さい。

※次回の掲載は1月1日(木)
  1月5日(月)からとなります。


←前回記事へ 2003年12月26日(金) 次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ