服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第451回
すばらしい一年にするために

あけましておめでとうございます。
昨年はご愛読下さりありがとうございます。
心から御礼を申上げます。
また、本年も引続きお目通し下されば
幸いでございます。

年のはじめのためしとて、
なにかおめでたい話をするとしましょう。
もう初詣にはいらっしゃいましたか。
あるいはこれから行らっしゃるかも知れませんね。
初詣といえば、破魔矢。魔を破る矢。
邪をはらって幸を得る、というのでしょう。
縁起物ですね。
めでたいことには違いありません。

寛文7年(1666年)11月1日のおふれのなかに、
すでに「はま弓」が出てくるそうですから、古い。
はま矢をはま弓で射る。
的(まと)はわらを円形に編んだもので、
これを「浜(はま)」と呼んだらしい。
そこでもともとは浜弓であり
浜矢であったと考えられています。

これは江戸初期の、
武家の子供たちの遊びとして
行われたものだそうです。
ところが時代とともにこの弓矢の遊びはすたれて、
形ばかりのものになってゆく。
つまり江戸中期から次第に装飾品になるのです。
浜弓、浜矢、それに的(まと)を一揃いに組んで、
これを男子誕生の祝品として使ったのです。
金銀の装飾がほどこされて、
今の目でみるならりっぱな美術品であったでしょう。
ひとつの的(まと)を中心に、左右に2本の弓、
そして中ほどに5本の矢を並べるというのが、
ひとつの様式として確立されてゆくのです。
そしてさらには江戸後期になって、
破魔弓、破魔矢として、邪をはらう縁起物として
使われるようになったのでしょう。

強いようで弱いのが、
人の心であります。
破魔矢はその一例だと思います。
お守りもよく知られていますね。
今年はなにかひとつ、
自分だけの心の「お守り」を
持つようにしようではありませんか。
常に身につけていられるような、
小さくて、かさばらないものが良いですね。
本年が、あなたにとって素晴らしい年でありますように、
祈念しております。
どうか幸福な一年でありますように。


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