服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第467回
スポーツシャツの着こなし研究

ウール地のスポーツ・シャツを着たことがありますか。
暖かく、大人の気分が楽しめるものです。
ひと口にウール地といっても
さまざまな種類がありますが、
たいていはウーステッド(梳毛地)でしょう。
ウールのスポーツ・シャツといえば、
すぐに格子柄のものを思い浮べる人もいるはず。
でも、着こなし範囲の広さからすれば、
無地のほうがはるかに使いやすい。

たとえば赤のスポーツ・シャツ。
ふつう赤は難しい色であり、
また実際に抵抗感を持つ人が少なくありません。
でも、他の素材に較べて、
ウール地による赤は安定感があり、
安心して着られることが多いのです。
これも一例ですが、
紺のブレザーに組合わせてみる。
下にはグレーのパンツ、
あるいはジーンズでしょうか。
すると他にはなんの小道具も必要ありません。
たったそれだけで、大人の、
上品なカジュアル・ウェアが表現できるのです。

もちろん赤に限らず、
自分の好きな色で良いのです。
でも、せっかくのことですから、
シャツだからこそ着られる大胆な色調のものを
選ぼうではありませんか。
一方、デザインについては
シンプルなものをおすすめします。
ごく普通のシャツ襟と袖口が付き、
胸ポケットの有無は好みの問題でしょう。

さて、実際のウールのスポーツ・シャツの着こなしについて。
まず最初に、襟元の第1ボタンを留めるか、
外すか、という問題があります。
留めるも良し、外すも良し。
けれども時に第1ボタンを外して、
襟の研究をしてみましょう。
襟の後を少しだけ立ててみる。
当然のことですが、
襟腰の折り返し部分を変えることによって、
微妙に襟先の位置と角度とが変化する。
鏡の前で実験を繰返して、
自分でもっとも好きな襟を作ることも可能です。

そしてさらには前ボタンをいくつ外しておくか、
ということも関連してくるでしょう。
小さく襟を開けるか、大きく襟を開けるか。
大きく襟を開けるなら、
そこにスカーフをあしらってみよう。
スポーツ・シャツ1枚から、
着こなしの幅は無限に拡がってゆくのです。


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