服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第479回
ファンシー・ベストを作ってみよう

今回は、日ごろご愛読下さっている読者の
J.K 様から
第474回 「私のファンシー・ベスト物語」について
メールをいただきましたので、
そのご返答を掲載させていただきます。


■ J.K 様にいただいたメール

件名:マイ・ベスト

前略
いつも愉しく拝見しております。

今回のファンシー・ベストの話題にちなんで
ある意味”変りチョッキ”である代物をご紹介いたします。

こういったベストを作ってくれるところもあるようです。
http://www.tuxedo.co.jp/product/reform/vest.html

自分のお気に入りの生地をベストに、
というのがなかなか面白いと思いました。
自分のセンスに自信があり、かつ
ベストにしてもらいたくなるような生地を持ち合わせたときに
お願いしてみようなどと企んでおります。

これからのますますのご活躍、ご祈念申し上げますとともに
厳寒の折、くれぐれもお身体、ご自愛下さい。
草々


■出石さんからのA(答え)

いつもお目通し下さり、
ありがとうございます。
またご親切にも貴重な情報を
お教え下さいましたことについても、
重ねて御礼申上げます。

手短に言えば、
不用になったネクタイ2本あれば、
それをファンシー・ベストに
仕立ててもらえるというのです。
「タキシード会議」で引き受けてくれるとのこと。
またとくにネクタイでなくとも、
スカーフや着物の余り布などでも、
一定の大きささえあれば、
仕立ててくれるのだそうです。

これまで私は自分で好みの生地を買って、
さすがにベストだけというわけにはいかないので、
上着と一緒に注文することはありました。
けれども「タキシード会議」に頼めば、
好きな生地で、ベストだけ仕立ててもらえるわけですから、
たしかにこれは有益な情報ですね。
ありがとうございます。

ネクタイ2本ということは、
それぞれの色や柄が違う場合、
おそらくベストの右側と左側とで異なってくるはず。
たとえば右側が水玉模様で、
左側がペイズリー柄といったように。
でも、これはひとつのユーモアでもあるでしょう。
また2本のネクタイを、
それぞれ相性の良いものを選ぶのも、
ひとつの方法かも知れません。

さらには意図的に
右と左の色柄をはっきりと違えるのも、
面白い効果となるでしょう。
極端な話、紺と赤のベストなんて
面白いではありませんか。
ネクタイ地を利用する場合、
表にシミが付いていることもあるでしょう。
色があせていることもあるでしょう。
けれども生地によっては、
その裏側と表に返して使うことも可能です。
工夫ひとつで、いろいろと応用範囲が拡がりそうで、
楽しくなってくるではありませんか。

たとえば、どこかで
それほど高くないネクタイを見つけたとしましょう。
思いきって3本同じネクタイを買う。
そのうちの2本でベストを作ってもらう。
もう1本は当然、シャツに結ぶ。
そうするとネクタイとベストのコーディネートも
楽しめるわけです。


←前回記事へ 2004年2月1日(日) 次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ