服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第508回
間宮海峡からロシア紅茶へ

今回は、日ごろご愛読下さっている読者の
大野 広之 様から
第501回 ダッタンかてふてふに飛ぶについて
メールをいただきましたので、
そのご返答を掲載させていただきます。


■ 大野 広之 様にいただいたメール

出石 尚三 様

501回のコラムを拝見しました大野広之と申します。

自分は以前にハイQにコラムを連載されている
柳田洋さんのコラムに中国語の音韻(漢字音)について
「回答者」として出演しました。

さて、今回のてふてふをめぐる文章は
自分としても興味のある分野だけに、
大変興味深く拝見させていただきました。

間宮海峡はまだ未踏の地ですが、
樺太には行ったことがあります。
荒削りの魅力とでも言いましょうか、
非常に素朴な自然と心温かい人々との交流が
思い出に残っております。

満州族の版図だったのですが、
ご指摘の通り、その後露西亜が分捕ったために
現在でも露西亜領とされております。
実際にはツングース系の狩猟民族が今でも生活し、
日常はロシア語と固有な民族語を併用しております。
ですが、若い人たちはロシア語しか話しません。

また、愉しみながら拝読させていただきます。
ありがとうございました。


■出石さんからのA(答え)

ご丁寧にもお便りを下さり、
ありがとうございます。
心より御礼を申上げます。
また、日頃、ご愛読下さっているとのこと。
重ねて御礼を申上げます。
このたびは興味深いご指摘を下さり、
感謝の言葉あるのみです。

大野様、樺太を訪れたことがおありのこと、
うらやましい限りです。
もちろん私にとっては未見の地。
私、北海道より北は
まったく足を踏み入れたことがありません。
今、あらためて地図を見ると、
樺太とロシアとの間に位置するのが、
間宮海峡(ダンタン海峡)なんですね。
樺太では主としてロシア語が使われているというのも、
地図を見れば素直に納得させられてしまいます。

かなり北ですね。
冬は寒いでしょう。
夏でもはるかに涼しいのではないでしょうか。
これまた勝手な想像なのですが、
ロシア紅茶なども飲むのでしょうか。
日本は春だというのに、
私の頭の中はすっかり荒涼たる樺太に渡って、
寒さにふるえながら、
熱いロシア紅茶を飲んでいます。
ロシアで、ロシア紅茶を想像するのは、
あまりにも単純かも知れませんが。
私は甘いものが大好きなくせに、
うんと濃い紅茶が好きなのです。
自分でも大いに矛盾しているとは分っているのですが。
まるで珈琲のように濃い紅茶を、
甘く飲むにはどうすれば良いか。
これはもうロシア紅茶でしょう。

ロシア料理店ではよく
細長いガラスのコップで出てきますね。
でも、家で飲むには好みのカップで良いでしょう。
まず美味しいイチゴジャムを用意する。
本当は自分でイチゴジャムを作れば良いのですが。
まあ、それはともかく、
イチゴジャムをカップに入れる。
で、その上から、熱い、
この上もなく濃い紅茶を注いで、飲む
ああ、このロシア紅茶の愉しみは
いったい何にたとえるべきでしょうか。
そして好みによっては、ごく少しだけ、ウォッカを加えてみる。
ウォッカの代りにジンやブランデーという手もあるでしょう。
こんな風に、地図を片手に想像の旅をしようではありませんか。


←前回記事へ 2004年3月1日(月) 次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ