服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第527回
小さくて、おしゃれなコレクション

なにかコレクションをしているものがありますか。
私自身はこんなふうに聞かれると、
困ってしまいます。
とくにこれといって集めているものがないからです。
もちろん大きく幅を拡げると、
本とか服とかも
コレクションのひとつと言えるかも知れません。
でも、これはもう大変。
場所との戦いになってしまうからです。
私としては小さくて、場所をとらず、
しかも実際に使うこともできるモノがいいなあ、
と思っています。

私がこれから集めてみたいなあ、
と思っているもののひとつに、
カフスボタンがあります。
小さくて、しゃれてて、
しかも実際に使うこともできる。
どうです、良い考えでしょう。
しかもこれから時代と共に
消えてゆくものでしょうから、
文化保存(?)の一助にもなるかも知れませんよ。

コレクションはたいていそうですが、
カフスボタンも古い時代のものほど面白い。
今はバネ式が主流ですが、
少なくとも19世紀以前ものは、
チェーンを使ったカフスボタンが多い。
しかも裏側にも丁寧に装飾されたものが良しとされます。
ことに貴重なカフスボタンは
“ドレス・セット”と呼ばれます。
これは礼装用シャツのスタッド(飾りボタン)と
カフ・リンクス(カフスボタン)とが
一揃いになったタイプです。

もちろんアンティック・ショップなどに行くと、
高価なカフ・リンクスが並んでいます。
素材は金や銀で、
宝石がちりばめられたりしたデザイン。
たいていは有名宝飾店の作品です。
でも、私が本当に集めてみたい、
無銘のしかしクラシックなカフ・リンクス。
これは日本とそして海外のノミの市を
ゆっくりと探すのが近道です。
値段もけっして高くはないし、
また値段交渉をするのも、
楽しみのひとつでしょう。

ただ漠然と歩くよりも、
自分なりの趣味を持っていると、
ノミの市ひとつとってみても、
世界観が大きく拡ってゆくのです。
こんな小さなボタンひとつからでも、
人生観が変ることもあるのです。


←前回記事へ 2004年3月20日(土) 次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ