服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第531回
ネクタイの二刀流

予備のネクタイが携帯できたらいいなあ、
と思ったことありませんか。
たとえば金曜日の夜にパーティーがあったりする。
昼間はビジネス用のタイ、
夜はパーティーにふさわしいタイに替えてみよう。
もちろん理想をいえば、
服装全体を替えたいところですが、
現実としてはなかなかそうもいかない。
せめてタイを替える。
いや、ネクタイだけでも
かなり印象が違ってくるものです。

そもそもネクタイには
昼用と夜用があるのです。
サテンをはじめとして
美しい光沢を持つ生地やデザインは、本来は夜用。
これに対して光沢をおさえたものは昼用とされてきた。
ただし現代では相互交流が一般化しているのですが。

また、必ずしもパーティーでなくても、
気分転換を目的として、
ネクタイを替える人もいるでしょう。
スーツは同じだけれど、
午前と午後とでネクタイを替える。
オン・タイムとオフ・タイムとでネクタイを替える。
その動機はさまざまでしょう。

さて、問題は予備のネクタイをどう持ち歩くか。
タイはタテに2つ折りにして、
クルクルと巻いて、丸いカンに入れておく。
たぶんこれが最上の方法でしょう。
また旅行用品の売場には
ネクタイ専用ケースが並んでいます。
でも丸いカンの専用ケースも、
ビジネス用の鞄に入れるには
少々かさばってしまうのです。
さりとて、ネクタイをそのまま鞄の中に入れたのでは、
シワになってしまいます。
だから予備のタイは言うは易く、
行うは難しいのです。

ところが最近、
小型の、バッグに入れて邪魔にならない
タイケースを見つけました。
小さなバァが上下にあって、
ここに巻きつけて収納するタイプで、
薄型だけれどシワにならないケースなのです。
銀座の「マーサ・ローレン」(TEL:3562-6488)で、
1,200円で売っています。

いつでも予備のネクタイを持っていることで、
想像以上にゆたかな心で一日が過せますよ。


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