服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第554回
美しいブルーに学ぼう

ブルーという色をお好きですか。
ブルーはグレーと並んで、
男の服装の基本色だと考えられています。
ことにビジネス・ウェアとしては、
二大基本色。
そして単に基本色であるだけでなく、
ブルーとグレーはおたがいに
相性の良い色でもあるのです。
たとえばブルー系のスーツに
グレーのネクタイやシャツなどは、
とてもおしゃれな感じになるものです。

さて、問題はどんなブルーを着るか、
ということにあります。
ライト・ブルーからダーク・ブルーに至るまで、
さまざまな色があることは言うまでもありません。
また、好みという問題もあります。
結論を最初に言えば、
より深いブルーが、
より美しいブルーなのです。

ここでの「深い」とは
「濃い」ということではありません。
その色が自然に持っている色の深み、
奥行のことです。
つまり自分の好きな色であり、
また「深み」が感じられる色を選ぶことをおすすめします。
まず、より美しい、より深いブルーを選ぶことが、
上手な着こなしの出発点になるのです。

昔は同じブルーを表現するにも、
一度グリーンに染め、
それをさらに紺に仕上げる。
あるいは一度赤に染めてから、
ブルーとして完成させる、
という技法を用いたのです。
つまりより重厚的な色、
それが「深い色」なのです。
深い色であれば変色もしにくく、
良い色だとされたこともあります。

おしゃれの第一歩は観察にあります。
良いものをよく視る。
色のセンスなどと言いますが、
これも実は観察なのです。
良い色を視る、良い色を読む。
ふだんからこのような習慣をつけると、
どれが良い色なのか、どれが好きな色なのか、
すぐに分るようになります。
ことにふたつの色を近くで見較べたなら、一目瞭然です。

上質のブルーのスーツを着る。
するとただそれだけで美しい姿に見えます。
またシャツやネクタイで多少の冒険をしても、
スーツが優しく包み込んでくれるのです。
美しい色は力強い味方にもなってくれます。


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