服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第555回
ハンカチーフをもう1枚

ふだんハンカチを何枚持っていますか。
1枚、2枚、3枚・・・。
私は最低1枚は持っています。
時には2枚、3枚と持つことがあります。
つまり予備のハンカチというわけですね。

さて、この予備のハンカチを
どのポケットに入れておくのか。
上着の胸ポケットに入れておく。
まるでポケッチーフのようにです。
ふつうポケッチーフは、
絹ハンカチであることが多い。
でも、コットンやリネンのハンカチを
胸ポケットに入れておくのです。

では、どんなふうに入れておくのか。
シルクのポケッチーフはたいてい
柔かい、丸味を強調するように飾る。
これを“パッフド・スタイル”と言います。
逆に、ハンカチの四隅を
先端にのぞかせる飾り方を
“ペタル・スタイル”と呼びます。
つまり「花びら」のようだ、と言うわけです。

白いコットン、
あるいは白麻のハンカチであれば、
このペダル・スタイルであしらうことをおすすめします。
きっかりと揃えて飾る必要はありません。
さり気なく、ごく自然なかたちに。
もう少し具体的に説明しましょう。
まず一度、ハンカチを四角にして拡げます。
右手の人差指と親指で中央部をつまみ上げます。
で、左手で包むように持上げると、
四隅の先端が、
適当に不揃いになってくれる。
これを胸ポケットにあしらうのです。
場合によっては、この時、
ハンカチをタテに二つ折りにして、
四つの先端に加えて、
中央部のふくらみも一緒に
のぞかせるやり方もあります。

さわやかなこれからの季節、
綿や麻の、軽い上着を羽織ることも多いでしょう。
Tシャツやポロシャツの上に重ねる。
もちろんネクタイは締めない。
そんな着こなしの効果的なアクセントとして、
コットンやリネンのハンカチを使ってみましょう。

そしてもちろん
予備のハンカチという意味あいもあるわけですから、
必要とあれば実際に使うことも可能。
サングラスの汚れを拭いて、
またもとのポケットに戻す。
この一連のしぐさが美しく行えたなら、
言うことなしです。


←前回記事へ 2004年4月17日(土) 次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ