服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第563回
心も軽やかシャツ・ジャケット

シャツはなぜシャツなのか、
考えたことがありますか。
「ワイシャツ」が和製英語であることはご存じの通り。
シャツ、正しくは“シャーツ”shirtですね。
これは古代ノルド語の
“スキルタ”skyrtaが語源だと言われています。
8世紀頃からアイスランド近隣で使われていた言葉。
その意味は「短い衣服」。
ここから古代英語の
“スキルト”scyrteが生まれたのです。
それはともかく“スカート”skirtも
まったく同じところから出発しているのです。
「短い衣服」が長い歴史のなかで、
一方は「シャツ」になり、
一方は「スカート」になったわけです。

そこで私は考えるのです。
女性はスカートで歩けるのに、
どうして男はシャツで歩くには
抵抗を感じるのか、と。
もっとシャツがジャケットのように
昇格してくれたらなあと、いつも思います。

そんな時、偶然にも
シャツ生地で仕立てられたジャケットを見つけて、
嬉しくなってしまいました。
1枚欲しいなあ。
名前を見ると
「シャツウェイスト・ジャケット」と書いてあります。
白地にブルーのストライプが入って、
素材はもちろんコットンで、一重(ひとえ)仕立て。
下にはTシャツ1枚で、軽々と羽織りたいものです。
「ケント・ハウス」(TEL:3574-7280)で、
14490円で売っています。

でも、よく見ると、
シャツ地そのものではありません。
シャツ生地のようですが、
実際にはそれよりもしっかりと厚地で、
ジャケットを仕立てるには
このほうが向いているのでしょう。
それはともかく、
シャツ地でジャケットをつくってみよう、
という発想は大賛成です。

白いコットン・パンツを組合わせて、
素足にスニーカーを履く。
下にはやはり色を合わせたTシャツでしょうか。
あるいはクルー・ネックのサマースェーター
という着こなし方もあると思います。
私ならたぶん、
ネイビー・ブルーを選ぶでしょう。
それはともかく軽いジャケットを着ると、
心まで軽くなるのは、間違いないです。


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