服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第584回
内緒にしておきたい下着の話

今、どんな下着を穿いていますか。
どうも下着、ことにパンツの話はしにくい。
でも、もっとも密着するファッションですから、
避けては通れません。
ひと時代前なら、
「トランクスですかブリーフですか?」
と質問することが出来ました。
けれども現在では、
その両者の良い点を取入れた、
第三のパンツが登場しています。

それは身体にフィットする式のトランクス。
原則としてジャージー製のトランクス。
日本ではふつう
「ボクサーショーツ」と呼ぶことが多いようです。
しかし“ボクサー・ショーツ”は本来は、
読んで字のごとく、
ボクサーがリング上で穿くようなスタイルを指したものです。
「ボクサー・ショーツ」には
日本的な拡大解釈から生まれた新語と理解するべきでしょう。
まったく新しいデザインが誕生して、
とりあえず名称が必要なのですから、
致し方のないところです。

では外国の場合どうなのか。
そもそもはジャージー製のトランクスは、
外国で生まれたものですから、
もちろんそれに対する呼び名もあります。
単に“パンツ”と呼ぶこともあります。
また“ホット・パンツ”とも。
“ホット・パンツ”は70年代のはじめ、
若い女性の間で流行った
短く、フィットしたショート・パンツの名称。
ここにヒントを得て
新しい男性用下着を
“ホット・パンツ”と名づけたのでしょう。

「ボクサー・ショーツ」なのか
“ホット・パンツ”なのか。
呼び名はさておき、
この雑文のために、試してみました。
「ブロス」というブランドの
「フィットパンツ」(1枚、1575円)。
あえてMサイズを選び、色は黒にしました。
実は私、黒の下着が好きで、
たまたま「ブロス」に黒があったからなのですが。
はじめての印象としては「悪くない!」
というものです。
肌ざわりとフィット感も上々です。
人に見せたい下着、とまでは申しませんが、
下着らしくない下着であることは間違いありません。
しばらくの間、
「ボクサーショーツ」を続けてみようと思っています。


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