服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第585回
おいしい水と美しい水

美味しい水を飲んでいますか。
この間、とあるレストランで
美しい水を飲みました。
深い緑色のワイン・ボトルから、
大ぶりのワイン・グラスに
水を注いでくれたのです。
たぶんごく普通の
ミネラル・ウォーターだったのでしょうが、
いつもより美味しく感じられたのです。
味わいとしての「美味しい水」とはまた別に、
視覚的な印象としての
「美しい水」があることに気づきました。
まったくの余談ですが、
ファッションのほうで
“ボトル・グリーン”というのは、
まさにあのようなワイン・ボトルの
深緑色を指すのです。

ほとんど毎日のようにワインを飲んでいるのですが、
ボトルはすべて捨てています。
でもこれからは気に入った色あいのワイン・ボトルは
アイス・ウォーター用に取っておこうと思います。
もちろんコルクの栓も一緒に。
フランス語で言うところの“ブション”も。

アイス・ウォーター用に使うには
もちろんきれいに洗ってからですね。
ところがこれが言うは易く、行うは難し。
壜をきれいに洗うには、まずゆで卵を食べる。
ゆで卵を食べると当然、カラが残る。
この卵のカラを小さく砕いてボトルの中に入れる。
それでしっかり栓をしてから、
ゆっくり上下に振ると、
いつの間にか壜の中がきれいに洗えているのです。
あとは清水でよくすすいでおく。
壜の中の水をはやく捨てるには、
壜自体を回転させる。
すると水の回転がうず巻き状になって、
はやく排水されます。

さて、次にエチケット(ラベル)。
むかしのエチケットはすぐにはがれた。
でも今のエチケットはなかなかきれいに取れない。
鍋の中に湯を沸かして、
この中にしばらく漬けておくと、
そのうちにはがれてきます。
壜全体の消毒にもなって良いのではないでしょうか。

さて、これでほぼ準備ができました。
美味しい水を、美しい水を飲む。
私としては大型のワイン・グラスで、
美味しい水を飲む。
もしボルドー型のグラスなら、
気持はボルドー・ウォーターになってくれるかも知れません。


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