服飾評論家・出石尚三さんが
男の美学をダンディーに語ります

第587回
夏期間は白シャツを着る

オフィスに上着は必ず必要だと思いますか。
まあ、これは難しい質問ですね。
まずはオフィスの雰囲気というものがあり、
職種の違いがあり、
地位や年齢ということもあるでしょう。
でも、ヨーロッパに「夏時間」があるように、
日本にはぜひ「夏期間」をつくるべきだと思うのです。

さて、「夏期間」をいったい
いつからいつまでの間にするのか。
これまた難しい問題ですね。
それはともかく「夏期間」は
オフィスといえども上着なし、
ということになれば嬉しいかぎりです。
時と場合によっては上着なし、ネクタイなし、
シャツだけで大いに結構ということになれば最高です。

「夏期間」は上着なし、ということになれば
シャツそのものが上着代りになる。
すると当然、シャツをどうするかということに関心が集る。
これを裏返すなら、
私たちは日頃、男のシャツについて
真剣に考えていない面があるのではないでしょうか。

シャツは第二の上着である、と考えてみましょう。
もしそうであるなら、
私としてはもう一度、
真面目にホワイト・シャツを見直したい。
白無地のシャツを素肌に着る。
しっかりとしたコットンやリネンの生地。
第1ボタンを留めるのか、外すのか。
襟を少し立てるのか、立てないのか。
半袖であるのか、長袖であるのか。
自分のテーマになるホワイト・シャツを
見つけたいものです。

私としては白麻の、長袖シャツを
第二の上着にしたいと思います。
第1ボタンは外し、軽く襟を立てて着る。
白麻のシャツはシワになりやすく、汚れやすい。
だからこそ良い、と思うのです。
まったく同じデザインのシャツを
2、3枚用意する。
そして朝と昼と夕方と、
それぞれ着換えるのです。
上着ほど大変ではなく、
また同じデザインであれば、
嫌味にもなりません。
そして着るほうとしても大いに快適である。
良いことばかりではありませんか。
もっとも週末を利用して、
せっせと洗濯とアイロンがけの必要はありますが。
これもひとつのスポーツと考えようではありませんか。


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